2人育児中の家庭にとって、車はたしかに心強い存在です。
雨の日の送迎や病院、週末のお出かけなど、「車があって助かった」と感じるシーンは数え切れません。
でも、その便利さの裏で見落としがちなのが【お金】の問題。
車は持っているだけで、保険・税金・メンテナンス・駐車場代など、毎月かかる固定費のかたまりなんです。
本当に必要かどうかを見極めるには、まず「いくらかかっているのか?」を見えるようにすることが第一歩。
わが家の実例をもとに、車にかかるリアルな金額を月ごとに計算してみました。
車の維持費はいくら?月額でチェック

車って、毎月どれくらいお金がかかっているか知っていますか?
ガソリン代や駐車場代はイメージしやすいですが、実は本体価格・保険・税金・車検・メンテナンス…、見えにくい支出も月々に積み重なっています。
それらをすべて月額に換算して整理してみると、家計にどれほど影響しているのかがはっきりと見えてきます。
【前提】
- 車種:トヨタ・シエンタ(ハイブリッド)
- 購入価格:約300万円(Gグレード・新車)
- 想定乗車期間:6年間
- ガソリン価格:1Lあたり170円(2025年7月 都心部)
- 使用頻度:毎週末のお出かけ(月4回)/1回あたり50km走行
- 駐車場代:月1万5,000円(都市部想定)
※実際の金額はお住まいの地域・車のグレード・使い方によって異なります。
車体価格
まずは、車を買うときに必要な「車体価格」。
3,000,000円 ÷ 6年 ÷ 12ヶ月 = 約41,666円/月
つまり、本体価格だけで月あたり約4.2万円のコストが発生している計算になります。
ローンを組めば金利がかかりますし、下取り価格を差し引けば多少軽くなりますが、それでも「乗るために支払っているお金」が確実に存在することは変わりません。
なお、3年ごとに買い替える人であれば、月額は約8.3万円と倍近くに。
「長く乗る=月あたりの負担が減る」という視点も、家計を考えるうえでは大切な要素です。
ガソリン代
2人育児では、子どもの送迎や買い出しで「ちょっとそこまで」が意外と多くなります。
たとえば、週1回・往復50kmの外出を月4回と想定し、街乗り燃費を15km/Lで計算すると、
ガソリンは月に約13L、金額にするとおよそ2,300円ほどになります。
ガソリン代は「走った分だけ増える」変動費。
週末の外出が多かったり、遠出や渋滞が続くと3,000円〜4,000円台に膨らむこともあります。
育児中は何かと車を使う場面が増えるので、意識しないうちに積み重なる出費のひとつです。
月のガソリン代:約2,300円
駐車場代
とくに都市部ではその負担が大きく、わが家のように月1万5,000円前後というケースも珍しくありません。
地方なら5,000円以内で借りられることもありますが、都心部や駅チカエリアでは月2〜3万円になることも。
「家賃は安いけど駐車場代が高い」というパターンもあるため、住む場所によってコストが大きく変わる項目です。
月の駐車場代:15,000円
任意保険+自賠責
自賠責保険(強制保険)は車検ごとに加入必須。
そして万が一に備えるための任意保険も、多くの家庭が加入しています。
保険料は等級・年齢・車種によって差がありますが、育児世帯でよくある条件(30代・ファミリーカー・対人無制限など)であれば、
- 任意保険:年間5〜7万円
- 自賠責保険:年間1万2,000円前後(新車3年・以降2年)任意保険は等級や年齢、車種で差が大きいですが、年間5万円〜10万円以上が一般的。
ネット型保険を活用すれば安くなりますが、加入内容や補償範囲も確認が必要です。
月の保険料:約6,800円
自動車税
毎年4〜5月に請求がくる自動車税。
普通車で年3万円〜5万円前後が相場です。軽自動車ならおよそ1万円ほど。
月換算すれば、普通車で約2,500円〜4,000円程度の出費です。
月の自動車税:約3,000円
メンテナンス費
オイル交換・タイヤ・バッテリー・洗車など、こまごました出費も地味にかさみます。
わが家では年間2〜3万円程度、月にすると1,500円〜2,500円ほどでした。
月のメンテナンス費:約2,000円
車検費用(2年ごと)
新車なら初回は3年後、それ以降は2年ごとに必要なのが車検です。
点検費用に加えて、自賠責保険・重量税・整備費用なども含まれるため、1回あたり10万〜15万円が相場。
これを月換算すると4,000円〜6,000円。
車検だけで月数千円の負担と考えると、やはり大きいですね。
月の車検費:約5,000円
車にかかる月額コストまとめ
これまで紹介してきた費用を、すべて月額に換算して整理すると、実際にはこれくらいの金額になります。
項目 | 月額の目安 |
---|---|
車体価格 | 約41,666円 |
ガソリン代 | 約2,300円 |
駐車場代 | 約15,000円 |
保険(任意+自賠責) | 約6,800円 |
自動車税 | 約3,000円 |
メンテナンス費 | 約2,000円 |
車検費用 | 約5,000円 |
合計 | 約75,766円/月 |

あらためて数字で見ると、やっぱり車って「便利なだけじゃないな…」と実感しますね。
これはあくまで一例です。
乗っている車や地域、ライフスタイルによって、もう少し高くも安くもなります。
とはいえ、まずは「わが家の場合いくらかかっているのか?」を可視化してみるだけでも、家計改善の第一歩になりますよ。
2人育児で車は必要?所有の前に考えたいポイント


子どもが1人から2人になると、移動の大変さは一気に倍増します。
チャイルドシートは2台必要。ベビーカーやおむつ、着替えなどの荷物も多く、買い物や病院への移動は「車がないと無理…」と感じることもありますよね。
結論、車があると便利です。
でもその「便利」に、毎月何万円もの固定費を払い続けることが、本当に必要なのか?
ここで一度、冷静に考えてみるのも大切です。
月に数回の使用で、車は本当に必要?
意外と多いのが、「平日は使わないけど、週末にあったら便利だから持ってる」というケース。
- 平日は夫婦ともに電車通勤
- 子どもは徒歩 or 自転車で送迎
- 買い物はネットスーパーや生協
こうした暮らしをしている場合、車の使用頻度は月に数回程度というご家庭も多いはずです。
でもそのために、月に7万〜9万円の維持費を払っているとしたら…。
便利代としては高すぎるかもしれません。
車は“持つこと”より、使い方に合った選択を
わたし自身、「子どもが2人いるなら車は必須」という思い込みがありました。
でも実際に家計を見直して、「車の固定費、ちょっと高くない?」と家計を見直したことで、“使い方”に合った選択をすることができました。
大事なのは、「持つか・持たないか」ではなく、どれくらいの頻度で使っているか、それに対して維持費が見合っているかです。
「週末の買い物やお出かけだけ」なら、カーシェアやレンタカーで十分かもしれませんね。
カーシェアやレンタカーで十分な家庭もある


「車がないと育児は無理」と思っていたわが家も、今ではカーシェアとレンタカーで不自由なく毎日を過ごせています。
2人育児ではどうしても車が必要な場面は出てきますが、“所有している必要があるか”は別問題。
利用頻度が少ないなら、思い切ってカーシェアやレンタカーに切り替えるだけで、固定費が大きく変わります。
維持費ゼロ。必要なときだけ使える手軽さが魅力
車を持っていれば、使っていなくても毎月お金がかかります。
でもカーシェアやレンタカーなら、「使った分だけ払う」スタイル。
駐車場代・保険・メンテナンス・税金などの維持費はゼロ。
しかも最近は、チャイルドシート付き・ミニバンタイプ・24時間対応など、子育て家庭に便利なサービスも充実しています。



チャイルドシート付きなどのオプションは、利用できるところが決まっているから、少し注意が必要です。
所有と比較すると、コスパの差は歴然
たとえば、月に4回カーシェアでお出かけした場合の費用を見てみましょう。
▼1回あたりの料金(10時間パック)
- タイムズカーの10時間パック(ベーシック車両)
→ 約6,600円(保険料・距離料金込み)
※距離料金(16円/km × 約50km)800円ほどを含んでいます。
▼月4回利用した場合の合計金額
- 6,600円 × 4回 = 約26,400円/月
一方で、車を所有していると固定費は、月あたり7万〜9万円が目安。
つまり、月に数回の利用ならカーシェアの方が圧倒的にコスパが良いことがわかります。
「なんとなく所有」を見直すだけで、数万円単位で固定費が削減できる可能性もあるのです。
こんな家庭にはおすすめ
- 平日は電車や自転車で生活できる
- 保育園やスーパーが徒歩圏内にある
- 車は「週末だけ」「雨の日だけ」使いたい
こうした暮らしのご家庭には、ちょうどいい選択になると思います。
都心部なら、車がなくても困らない


「車は子育てに必須」──そう思っている人ほど、住む場所によっては本当に必要ないことに気づいていません。
特に、交通インフラが整った都心部では、車なしでの育児がむしろ快適になることも。
交通インフラの強さが“車いらず”を支えている
都心部では、電車・バス・タクシー・自転車・徒歩だけで生活が成り立ちます。
最近では子連れでの移動にやさしい公共交通機関や、抱っこひもOKのバスなども整備されており、「車がなくても不便しない」環境が広がっています。
実際、通勤・通園・買い物などすべて徒歩圏内に収まる生活なら、車を持たない方が身軽で経済的。
駐車場が高いエリアほど、「持たないことで得られる節約効果」が大きくなります。
「引っ越し=家計改善」の選択肢も
わが家は以前、「郊外で広めの家&車あり」の暮らしをしていましたが、家計の見直しをきっかけに都心寄りのエリアへ引っ越しました。
結果、車にかかる費用がゼロになり、月に約7万円の固定費削減に。
もちろん家賃は少し上がりましたが、トータルでは家計がラクに。
移動が楽になった分、時間のゆとりも増えました。
「引っ越し=支出が増える」と思われがちですが、住む場所によって“必要な支出”が変わるという視点も、家計管理には欠かせません。
家賃や利便性、家族の働き方などにもよりますが、「そもそも車がいらない暮らしができるか?」という視点は一度持ってみる価値ありです。
まとめ|車は金食い虫。暮らしに合った選択を


車はたしかに便利。
とくに2人育児中の家庭にとっては、頼れる存在です。
でもその一方で、維持費・保険・税金・駐車場代…と、固定費がずっしり重くのしかかる「金食い虫」であるのが現実です。
「なんとなく持っている」状態のままだと、家計がよくなる事はありません。
もしあなたの家庭でも、
- 車の使用頻度が少ない
- 家計がなかなか黒字にならない
- 将来にお金の不安がある
そんな思いがあるなら、ぜひ「本当に必要か?」見直してみることをおすすめします。
大事なのは「持つか・持たないか」ではなく、
暮らしに合った“使い方”や“持ち方”を選ぶこと。
まずは、車に月いくらかかっているのかを紙に書き出してみる。
それだけでも、家計改善のヒントが見えてきます。
おしまい。
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